こんな人生がある「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
増田俊也著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
689ページ、本の厚みも4cmあるでしょうか。
木村政彦という不遇の柔道家の生涯を、
力道山との不覚の試合を人生の転機の折り目として中心に置き、
幼少から、晩年までを精緻に追いかけた伝記です。
とても良い本だと思います。
しかし歯切れよくこの本を総括できません、読後感は複雑です。
・あまりに不条理な人生という試練。
・超人的な肉体の鍛錬をなさしめた意思。
・肉体の衰え、生の終焉をどう受け入れるかという問題。
・信念、善の問題。
とても重いテーマが、ぐちゃぐちゃにこの主人公の中に詰まっています。
読者は、それを丹念に読み解いて彼の人生をトレースしてゆき
人生の不条理やその長い道のりに想いを馳せます。
そうして最後に本のタイトルである「なぜ力道山を殺さなかったのか」にたどり着く
その答えは、意外にも、他者の思い込みを裏切るものかもしれません。
読み応えのある力作です。
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